BAD RELIGON(バッド・レリジョン)
『HOW COULD HELL BE ANY WORSE?(ハウ・クッド・ヘル・ビー・エニィ・ワース?)』

ハウ・クッド・ヘル・ビー・エニィ・ワース?ハウ・クッド・ヘル・ビー・エニィ・ワース?
バッド・レリジョン

ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル 2004-06-02
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81年に発売されたデビュー作のデジタルリマスター盤。その内容は81年発表のデビューEP『1StEP』から、1Stアルバム『ハウ・クッド・ヘル・ビー・エニィ・ワース?』と、2ndEP『バック・トゥー・ザ・ノウン』の全曲と、コンピレーションアルバム『パブリック・サービス』から3曲、全28曲が収録されている。

 

81年当初、アメリカのアンダーグランドシーンは、ハードコアが席巻していた。退廃的なアティテュードのジャームス、肉体的でバイオレンスなブラッグ・フラッグ、ポリティカルでシニカルなメッセージを掲げたデッド・ケネディーズなど、アメリカ西海岸は暴力的で過激な思想のバンドたちで盛り上がっていた。

 

そんなシーンにシンパシーを感じ、憧れたブレッド・ガーヴィッツとグレッグ・グラフィンは、アメリカ保守主義の欺瞞をあばき、攻撃、反抗する目的でバッドレリジョン(悪い宗教)は結成された。そしてハードコアシーンで活動を始めた。

 

デビューEPは、ジャームス、ブラッグ・フラッグ直系のごつごつしたハードコア・サウンド。84年発表のEPは、ブレッド・ガーヴィッツが参加していないためか、ギターの厚みが乏しく、若干、迫力に欠ける。コンピレーションの曲は、スピード感こそないが、ノイジーで激しい。

 

そしてこの作品のメインである『ハウ・クッド・ヘル・ビー・エニィ・ワース?』は、荒々しく挑発的なうねりを上げるギターが、怒りを叩きつけて進んでいく。全体に重く攻撃的なサウンドだ。扇情的で攻撃的なハードコアで、アグレッシヴ。現在も歌われている“ファック・アルマゲドン”やバイオハザードのカヴァーでも有名な“ユー・ゴナ・ダイ”などの名曲も収録されている。

 

歌詞は重大の若者が感じるような直截的な怒りに満ちている。保守主義への怒りや自分たちを縛り付ける社会システムへの反発がおもな内容だ。

 

当時はまだメロディックギターパートはなく、さほどオリジナルティーは感じられない。だが、メロディックなボーカルスタイルは、この当時から彼らしか存在しなかった。バッドレリジョンの初期衝動とは怒りと激しさ。作品を重ねるごとに思慮深さを増していくが、それらの要素がぶちまけているのは、この作品だけ。