NO FUN AT ALL (ノー・ファン・アット・オール) 
『GRIT (グリット)』

GRIT GRIT
NO FUN AT ALL

BIRDA 2018-04-12
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じつに10年ぶりとなる6作目。スウェーデン出身のNO FUN AT ALL(ノー・ファン・アット・オール)いえばメロディック・ハードコアの先駆者バンドのひとつとして知られている。メロディック・ハードコアの創始者といえばBAD RELIGION(バッド・レリジョン)。だがバッド・レリジョンとは異なるアプローチのメロディック・ハードコア・サウンドを展開している。

 

その異なるアプローチとは、8ビートのパンクロックをめちゃくちゃ速くした曲と、弾丸のような勢いの2ビートサウンドに壁のようなノイズギターが印象的な曲。BLACK FLAG (ブラッグ・フラッグ)などのアメリカン・ハードコアから進化し、カントリーなどを加え、アメリカ的で帰結したバッド・レリジョンと比べると、Misfits(ミスフィッツ)やGANG GREEN (ギャング・グリーン)などのアメリカン・ハードコアをよりスピーディーに、イギリスのニューウェーヴなどの独特なメロディーを取り入れた。じつにヨーロッパ的なサウンドといえるだろう。

 

そして今作でもメロディック・ハードコアなサウンドに変わりはない。スピーディーでノイジーな2ビートの曲が多かった前作と比べると、今作では8ビートのメロディックパンクが中心。メロディーフレーズが印象的だった2作目の『Out of Bounds (アウト・オブ・バウンス)』の路線を、よりポップに、より爽やかに、よりメロディックに突き詰めている。

 

とはいってもけっして能天気なポップさではない。『アウト・オブ・バウンス』にあった憂鬱さや切なさが全面に出したメロディーも、ここにはない。あるのは苦難のときを覚悟し、乗り越え、開き直ったような爽やかさ。渇いた心をポップな風が吹き抜け、傷口を癒すような爽やかさなのだ。

 

90年代からけっして変わることのないメロディックで、ノイジーで、スピーディーなサウンド。彼らの魅力は健在。