Unbroken (アンブロークン)
『It’s Getting Tougher to Say the Right Things (イッツ・ゲッティング・タファー・トゥ・セイ・ザ・ライト・シングス)』

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Unbroken

Indecision Records 2000-03-24
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00年に発表された編集盤。その内訳は、92年から95年の間にリリースされたEP、コンピ収録曲などを、一枚にまとめた内容だ。1と2は、95年に発表されたEP、『Circa ’77』から。3と4は94年発売の『-And/Fall on Proverb 7』から。5はジョイディヴィジョンのカバーで、94年に発表された『Abhinanda』とのスプリットから。6と7は93年に発表された『グラウンドワーク』とのスプリットから。8は、93年に発売されたコンピレーション『Lacking Mindset Compilation』に提供した曲。9と10は92年に発表したEP『ユー・ウォント・ビー・バック7』から。11は92年に発売されたコンピレーション『イッツ・フォー・ライフ』に提供した曲。いままで発表した全曲が収録されている。

 
 
アルバムは年代をさかのぼるように曲順が並んでいる。3年という短期間しか活動しなかったせいか、どの曲も古さや演奏の未熟さを感じさせない。6,7,8は、『ライフ,ラブ,リグレット.』に収録された曲で、そのほかはアルバム未収録曲。とくにそのなかでも『ライフ,ラブ,リグレット.』以降の実験的な内容の曲を聴いていると、このバンドが存続して3枚目を発表していたのなら、さらに違った未来になっていただろう。とくにそう感じることができるのは3曲目の“アンド”で、ここでは電気系統がショートしたようなノイズギターが、静寂な空間をブンブンうねるベース・サウンドに入れ替わっていく展開だ。クイックサンドの『マニック・コンプレッション』が、この曲からアイデアを得て、さらに発展させたサウンドのアルバムを作ったことが容易に理解できる。そのほかにも2曲目の“クラッシュド・オン・ユー”は、静と動がアップダウンする展開で、当時のハードコア界としては最先端を行くサウンドだった。このEPたちを聴いて、ヒントを得て、その曲の先にある方向性を追及し、自分たちの個性を確立したバンドもたくさんいたのだ。後世に多大な影響をあたえた曲たちといえるだろう。前2作と同じくらいEPを集めたこのアルバムも、重要な作品なのだ。なお11曲目の“アンハード”の終わりにシークレット・トラックが4曲収録されている。