Descendents(ディセンデンツ)
『HYPERCAFFIUM SPAZZINAT(ハイパーカフィウム・スパジネイト)』

HYPERCAFFIUM SPAZZINAT HYPERCAFFIUM SPAZZINAT
DESCENDENTS

EPITA 2016-08-01
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78年から活動を始め、Dickies(ディッキーズ)やAgent Orange(エージェント・オレンジ)と並び、西海岸のメロディック・パンクの創始者といわれるDescendents(ディッセンデンツ)の、じつに12年ぶりとなる7作目。

 

ディッセンデンツといえば、代名詞であるカラッと明るく爽やかなメロディック・パンク・サウンドが特徴のバンドで知られている。だがその音楽性は以外にも幅広く、ファストなハードコアの曲もあれば、トリッキーなインストメンタルな曲など、じつにいろいろな音楽をメロディック・パンクに取り込んでいた。アルバムを発表するたび、毎回違った要素を取り入れたサウンドを展開していた。

 

若かりしころはいろいろな音楽性を取り入れ新しいサウンドを提供することにチャレンジしていたが、9年ぶりの復活となった96年の以降は、メロディック・サウンドだけにスポットを当てたシンプルなサウンドを展開している。

 

今作も96年以降のサウンドの延長上にある作品で、あいかわらず良質なメロディック・パンクを展開している。先駆者ならではのオリジナルな個性である、つんのめるようなテンポで進むスラップベースは、今作も健在。独特のスピード感を持っている。前作よりも今作のほうが、いろいろなジャンルをメロディック・パンクに取り込んでいる。だがメロディック・パンクとの融合度は、いままでよりも明らかに上だ。この曲はハードコアの影響が強すぎるなど、そのジャンルの音楽を感じさせない仕上がりだ。

 

今作も全体的にカラッと明るく仕上がっているが、円熟した大人の味わい深さを感じる。いろいろな苦難を経験したうえでたどり着いた達観のような爽やかさだ。辛いことはたくさんあるけど、爽やかで心地よい風にあたりながらビールを飲み、人生を楽しもうぜみたいな雰囲気だ。

 

難解なものをいろいろと取り込んで世の中を難しく考えていた時期を経て、シンプルに考える大人になった。そんな経験と大人の渋みがにじみ出たグッドメロディーに勝るものはないのだ。今作も素晴らしい作品だ。