Jimmy Eat World(ジミー・イート・ワールド)
『Static Prevails (スタティック・プリヴェイルズ)』

Static PrevailsStatic Prevails
Jimmy Eat World

EMI 1996-01-01
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96年に発表された2枚目のアルバム。廃盤となっているデビュー作の『ジミー・イート・ワールドでは現ギターのトムがメインボーカルを務めていたが、ここでもメインボーカルはトムが担当。だがジムも数曲歌っている。サウンドはフガジなどのエモーショナル・ハードコアやラスト・リアル・エステイトなど先駆者エモからの影響が強く、静と動のアップダウンや叫び声は、典型的なエモサウンド。だがほかのバンドと比べると弱々しさはなく、メロディーに個性がある。とくに静の使い方がうまい。穏やかな清流の川の流れのようにキラキラと光っているようなメロディー。それが彼らのオリジナルティーなのだ。そのメロディーには優しさがあり、純粋で透き通った想いがある。

 

全体的に暗く内省的な作品だが、そこにはエモというサウンドフォーマットにいろいろな要素を加え、オリジナルティーを確立しようとしている実験性窺える。まるで考えに考えぬいているような思慮深い暗さ。それがいいし、そこから紡ぎだされるメロディーからは、純粋性を感じる。まだフガジから抜け切れていない印象を受けるが、これはこれでいい作品。