Red Death (レッド・デス)
『PERMANENT EXILE (パーマメント・エグザイル)』

コーク・バストのボーカル、ニックを中心に、ジェネサイド・パクト、ピュア・ダイジェスト、インテントなどのメンバーで結成された、ワシントンDC出身のハードコア・バンドの15年に発表されたデビュー作。アメリカではクロスオーバー、スケート・スラッシュ・ハードコアやDCファイト・メタルという呼び方をされているが、彼らのサウンドとは、オールドスクール・ハードコアにスラッシュ・メタルをクロスオーバーさせたサウンド・スタイルだ。

 

ベースにあるのはマイナースレットのワシントンDCの伝統を受け継ぐ、高速スピードなオールドスクール・ハードコア。そこにスラッシュメタルのリフやテクニカルなギターフレーズを合わせた。折衷度でいえば、ハードコアが4、スラッシュメタルが6ぐらいの割合か。苛立ちをはき捨てるような怒声交じりのボーカルからは、シック・オブ・イット・オールからの影響を色濃く感じ、スレイヤーばりのザクザク刻む怒りを煽るような扇情的なギターのリフからは、シンプルでストレートになりがちなハードコアに複雑な色合いをあたえている。

 

歌詞は自分の弱さを克服する内容や怒りについて歌っているようだ。弱い自分を自覚し、強がってみせる。ある意味、虚勢ともとれるが、過酷な状況を乗り越える精神的な強さこそ、パンク・ハードコアだと彼らは語っている。そういったアティチュードのバンドなのだ。その挑発的な姿勢と怒りや苛立ち焦燥感がサウンドから満ち溢れている。

 

古い要素を掛け合わせた彼らのサウンドは、今までのバンドにはなかった最新型のクロスオーバー・ハードコアといえるだろう。今までありそうでなかったハードコアの新しいサウンドといえるだろう。