SECT (セクト)

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Alliance Trax 2016-08-04
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元Cursed(カースド)、Burning Love(バーニング・ラヴ)、Left For Dead(レフト・フォー・デッド)のChris Colohan (クリス・コロンハン)Vo、元CatharsisのJames Chang(ジェイムス・チャング)Gt、元Earth Crisis(アース・クライシス)のIan Edwards(イアン・エドワーズ)Bs、元Fall Out Boy(フォールアウト・ボーイ)のAndy Hurley(アンディー・ハリー)Drによって結成されたニューヨーク出身の16年に発表されたデビュー作。

 

これがTrash-Talk (トラッシュトーク)やNALIS(ネイルズ)に通じる峻烈なハードコアを展開している。FAST誌11月号のインタビューによれば、政治や社会問題、環境問題に対して怒りに満ちた不満があり、自らの主義・主張を宣言するため、ハードコア・バンドを結成したとのこと。掲げている信条とは、ビーガンストレートエッヂ思想。バンドの信念として、Not Drinking(酒を飲まない)、Not Smoking(タバコを吸わない)Not Drugging(ドラッグをやらない)、Not Vaping(マリファナを吸わない)など、かなり禁欲的なハードコア思想を掲げている。ストレート・エッヂはアースクライシスの出現によって、シーシェパードなどの結びつき、行動に出る闘争的な方向に進んだが、彼らもまた動物愛護を実践している。まさに筋金入りのハードコアバンドなのだ。

 

ここで歌わている内容は、核兵器でキリスト教徒以外は排除するキリスト原理主義への批判、動物実験を繰り返し、巨大な利益を得る大企業への怒りなど。西側諸国の大企業やキリスト原理主義への批判が多い。それにしても尋常でないほどの巨大な怒りがこのアルバムを支配している。そのサウンドを形容するなら、まるで怒りの雷だ。どす黒い空に光を放ち龍が走り回るようにゴロゴロと不気味な音を立てるブラストビートのドラム。バリバリと巨大な音を立てるノイズギター。そして激しい音を立て落雷するような怒りを落とすボーカルの怒声。激しい怒りを爆発させる尋常でないエナジーに満ち溢れているのだ。

 

尋常でないテンションの高さとノイジーなサウンドを極めたこともさることながら、トラッシュトークのような激しいテンションとスピード感や、ネイルズのノイジーなサウンドをさらに突き詰めたギター、Modern Pain(モダンペイン)あたりのスローパートをミックスさせたサウンドは、現在のハードコアの最先端にいる作品といえるだろう。