Vein(ヴェイン)
『Errorzone(エラーゾーン)』

Errorzone

18年の7月に発売されたデビュー作。このバンドもCODE ORENGE(コードオレンジ)やJesus Piece (ジーザス・ピース)と同様に、新世代のハードコアを代表するバンドだ。

 

このシーンの代表格であるコード・オレンジと比べると、それほどハードコア色は強くない。しかもダウナー系ではなくハイテンションで超アッパー系のハードコア。ジャケットから見てわかるとおり、Prong (プロング)の『Cleansing (クレンジング)』からのオマージュを感じる。90年代のNU METAL(ニューメタル)からの影響を受け始めたバンドなのだ。

 

だが音楽的にはプロングからの影響はそれほど強く感じない。Fear Factory (フィア・ファクトリー)のようなプログラミングエラーのような高速打ち込みドラム、VISION OF DISORDER (ヴィジョン・オブ・ディスオーダ―)の絶叫ハイテンションボーカル、The Dillinger Escape Plan (デリンジャー・エスケープ・プラン)のカオティックな曲の展開。ありとあらゆるスクラップを集め、ロボットのように合体した、ジャンクでカオティックなサウンドを展開している。

 

そこには制御の効かないロボットのように、狂ったハイテンションで周りを破壊する、カオスがあるのだ。デリンジャー・エスケープ・プランより目まぐるしく、多彩なジャンルのヘヴィネスを詰め込んでいる。今年のヘヴィネス界でベスト10に入ってくるすばらしい作品だ。