LA Needs a Riot: Bands from the Los Angeles Underground
『LAニーズ・ア・ライオット:バンドズ・フロム・ザ・ロサンゼルス・アンダーグランド』

アメリカはロサンゼルス近郊にあるアンチ・ファシズムやフェミニズム、動物愛護などのポリティカルな姿勢を貫いているレーベル、Riot Ready Records(ライオット・レディー・レコーズ)から2枚目となるコンピレーション。

 

日本語で『LAは暴動を必要としている。ロサンゼルスのアンダーグランドのバンドによって』。と名付けられたタイトルには、ポリティカルな姿勢が貫かれている。コンピレーションで売り上げた収益のすべてを、反レイシズムや刑務所での虐待、社会復帰などに支援しているコミニティー、Dignity&Power Nowに寄付されるそうだ。

 

ここに収録されているアーティストは、オーソドックスな初期パンクのThe Lungs(ザ・ラングス)から、ディスチャージ系のハードコアのLoss for Concern(ロス・フォー・カンサー)、アナーコパンクのDrGhost(ドクター・ゴースト)、シンガロングスタイルでoiパンクのHardknocks(ハードノックス)、スカコアのCaptain Smooth Talk(キャプテン・スヌース・トーク)、サイコビリーのSkarletto and the Apocalypse(スカーレット・アンド・ザ・アポカリプス)、ランシド系のメロディック・パンクのBad Bruno(バッド・ブルーノ)にいたるまで、LA各地の無名なパンク・アーティストによる総勢45バンドが収録されている。どのバンドもパンクが明るく開放的なメロディックパンクに変わる前の、クラシックな初期パンク・サウンドを展開している。

 

変わったところではブルータルデスメタルのICM、ヒップホップのBorn in Demise (ボーン・イン・デマイズ)、ブラストビートのHero Injection (ヒーロー・インジェクション)など、異なるジャンルのサウンドを展開しているバンドもいる。なかにはポリティカルな姿勢を微塵も感じないアーティストもいるが、だがどのバンドも扇情的で攻撃的なサウンドだ。そこには悲しみや弱さなどネガティヴな感情がみじんもない。なによりアンダーグランド特有の路地裏のやさぐれた匂いが漂っているのだ。現在では失われたパンクの熱量や本来のあるべき姿を体現したコンピなのだ。

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