Red Death(レッド・デス)
『Sickness Divine (シックネス・ディヴァイン)』

FORCED ORDER(フォース・オーダー)やPower Trip(パワー・トリップ)と並びクロスオーバー・リバイバル・シーンを牽引するRed Death(レッド・デス)の3作目。メタル系レーベルの老舗であるCentury Media(センチュリーメディア)に移籍後の作品。

 

クロスオーバー・リバイバル・シーンのなかでも、MINOR THREAT(マイナー・スレット)やSICK OF IT ALL(シック・オブ・イット・オール)のボーカルスタイルからの影響が強く、シンプルで野太いハードコアサウンド中心に、初期AGNOSTIC FRONT(アグノスティック・フロント)のようにメタルのメロディーを加えたスタイルのバンドだった。

 

今作では前2作よりもさらにメタル寄りな作品に仕上がっている。ハードコア色は薄れ、メタルギターを多用したクロースオーバー・サウンドを展開。例えるならMetallica(メタリカ)の『Master of Puppets (メタルマスター)』と、C.O.C(コロージョン・オブ・コンフォーミティ)の『Animosity(アニモスティー)』を足して2で割ったサウンドだ。サザンロックとテクニカルなメタル度がかなりアップしている。

 

叙情的なメロディーのオープニング、サザンロックのような土臭く野太い歌声のボーカル、テクニカルなメタルのギター。典型的な懐古主義的なサウンドだが、荒野の夕日見るような繊細なメロディーと、カウボーイのような土臭い熱量に満ちている。繊細なメロディーとハードコアの荒らしい部分をうまいこと折衷しているのだ。

 

シンプルでスピーディーなハードコアをベースにクロスオーバーさせているバンドが多いなか、叙情的なオープニングメロディーなスローテンポな曲を取り入れ大胆に変化した。クロスオーバーリバイバル・シーンでも独特な立ち位置にいるバンドなのだ。