Zao(ゼイオー)
『Preface(序文): Early Recordings 1995​-​1996 』

 

ペンシルベニア出身のニュースクール系ハードコア・バンドの95年から96年までの未収録曲を集めた初期音源集。

 

初代シンガーEric(エリック)と2代目Shawn(ショーン)が在籍時音源を収録した内容で、初期のデモやOUTCAST(アウトキャスト)やTHROUGH AND THROUGH(スルー・アンド・スルー)とのスプリットの曲も収録。作品を重ねるごとにメタル度とギターのテクニックが増し、より過激でヘヴィーに進化を遂げてきた。初期の作品を収録した今作では、EARTHCRISIS(アースクライシス)やOVERCAST(オーバーキャスト)、Rage Against the Machine(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)やSTRONGARM (ストロングアーム)などのバンドからの影響を感じるシンプルでメタル色の強いニュースクール系ハードコアを展開している。

 

バンド名のZAO(ゼイオー)とはギリシャ語の(ζάω)で「生きること」という意味を持っているそうだ。クリスチャン・ハードコアと呼ばれたZAO(ゼイオー)の初期のころは、神の真言や平和について歌っていた。まだクリスチャンの影響が強かった初期のころの作品をコンパイルした今作では、終始スローテンポで絶望や怒りといった感情を刻んでいる。ここでは“闘争”や“戦い”、“悲しみ”に“抑圧”など、世間と戦っていく内容が目立つ。ここでいう闘争や戦いとは、組織化された教会から、はじき出されたと感じている聴衆の気持ちを代弁している。いうなら商業主義に走った教会組織との戦いといえる内容なのだ。

 

スローテンポで怒りを刻み、ノイジーで熱く燃え滾るようなハードコア。よりテクニカルに進化を遂げた近年のZAO(ゼイオー)も決して悪くはないが、初期のころは真っすぐで純粋で理念に燃えた初期衝動にあふれた作品を展開しているのだ。

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