ECOSTRIKE(エコストライク)
『A Truth We Still Believe(ア・トゥルース・ウィ・スティル・ビリーブ)』

サウスフロリダ出身のヴィーガン・ストレートエッジ・バンドの2020年に発表された2作目。ストレート・エッジはおおざっぱに分けて、チャンピオンのトレーナーを着たカジュアルなファッションでベジタリアンなユース・クルー系と、アニマルライツ(動物の権利)やヴィーガンで闘争的なEarth Crisis(アース・クライシス)系の2つに分かれる。ECOSTRIKE(エコストライク)の場合、ヴィーガン・ストレートエッジに、ユースクルー的なファッションを少々加えた、内省的でストイックなアティテュードを掲げているバンドだ。

 

前作『Voice of Strength(ヴォイス・オブ・ストレングス)』では、ヒップホップとメタルをハードコアに融合したサウンドで、 Strife(ストライフ)やJudge(ジャッジ)、Buried Alive(ベリィード・アライブ)からの影響が色濃いニュー・スクール(90年代ハードコア)ハードコアを展開していた。

 

そして今作ではシンプルなオールド・スクールなハードコアを展開している。Strife(ストライフ)やJudge(ジャッジ)からの影響は相変わらず色濃いが、メロディックなメタルギターとスピーディーな勢いで、終始罵倒していく。攻撃が向かっている対象は他人ではなく自分自身。“A Truth We Still Believe(俺たちがまだ信じている事実)”と“Another Promise(別の約束)”では、たとえ裏切られても、一度親友になった友人を信じぬくと歌い、そこには友情と団結心を第一義に掲げ、頑なに貫いている姿勢がある。義理と人情に篤くハードコア・コミュニティーの団結心を大切にしているバンドなのだ。

 

サウンド的には正直、前作のほうが好きだったが、今作ではシンプルで直情的で、なにより心熱くたぎらせる<信義>という違った魅力がある。まさにハードボイルドなハードコアらしい熱さを持った作品なのだ。