Final Gasp (ファイナル・ガスプ)
『Haunting Whisper(ホーンティング・ウィスパ)』

ボストン出身のゴズホラーパンク・バンドの2枚目のEP。ゴズ・ホラーパンク・バンドといえば、Misfits(ミスフィッツ)やT.S.O.L、近年では、AFI、 Alkaline Trio(アルカライン・トリオ)などのバンドたちをイメージさせるが、彼らたちとは異なるアティテュードを持っている。

 

Final Gasp (ファイナル・ガスプ)が掲げているアティテュードとは、サタニズム(悪魔崇拝)。サタニズムといえばブラックメタルのバンドたちをイメージさせるが、ブラックメタルのバンドたちよりも、ハードコアよりなサウンドを展開している。

 

魔界をイメージさせる不吉なシンセの音から、激しくスピーディーにギアチェンジしていくハードコアや耽美なメロディーを交えた展開。SAMHAIN(サウィン)などのバンドの影響を感じるが、そこにゴズやブラックメタルなどを取り入れた、かなり独特なサウンドを展開している。

 

激しいサウンドながらも、暗く絶望を祈っているような、どこかダウナーで甘美な苦痛を感じる。そこには絶望に堕ちていく自分を眺めているような陶酔感が漂っているのだ。

 

この悪魔メロディーは、かなりやみつきになるほど、中毒性にあふれたサウンドだ。個人的にはかなり好きな作品。