Toy(トイ)
『QP9』

オーストラリアはブリスベン出身のハードコア・バンドのデビュー作。80年代のハードコアパンクとノイズコアの中間にあるサウンドで、ノイジーで汚い音が魅力のバンド。

 

ドスの効いた怒声ボーカルと、野原が瞬く間に燃え広がるように拡散するノイズギター、重くスピーディーなスネア・ドラム。余分なものを一切排除したシンプルなサウンドだが、録音状態がノイジーで音が歪んでいるため、全体にダーティーな印象を全体に与えている。

 

だがそのノイジーな歪には、ハードコア本来のプリミティブな攻撃性が詰まっており、心の奥底が燃え上がるような闘争心をかきたてる。

 

典型的な80年代のハードコアパンクなサウンドだが、ここまでノイジーだと、新しいサウンドのようにも感じる。ハードコアの正当な主流や体系的な系統樹から外れた突然変異的な進化。そんな言葉が当てはまるバンドなのだ。