Temple Guard(テンプル・ガード)
『Spear of the Revenant(スピア・オブ・ザ・レヴァナント)』

イギリスはノティンガム出身のメタリック・ハードコア・バンドのデビュー作。教会のガードというバンド名どおり、十字軍や騎士道をアティテュードに掲げているバンドだ。

そのサウンドは、EARTH CRISIS(アース・クライシス)以降のスローテンポのメタリック・ハードコア。陰鬱でダークなメロディーに、救いのない嘆きのような絶叫ボーカルが、激しく重くダウナーなメタルサウンドと絡み、そこには絶望の嘆きにあふれている。

歌詞は中世の魔女狩りのような、呪いや因習を信じるおどろおどろしい内容が多い。1曲目の“Plaguebearer(ペストペアラー)”では、<地獄に縛られた暴君が地球に感染する、天の怒り、ハルマゲドンを清める雨を恐れよ>と歌い、2曲目の“Disciples of Vengeance(復讐の弟子たち)”では、<絶望的な欲望に打ち砕かれた、復讐の弟子たちが地上に降り立ち、あなたの最悪の恐怖が現実になる>と歌っている。

そこには、アルマゲドンによる最後の審判で、強欲に満ちた資本家たちが地獄に落ちるといった、勧善懲悪的な内容でしめられている。

Temple Guard(テンプル・ガード)の個性とは、メタリック・ハードコアに中世の騎士道のような世界観を融合し、強欲に満ちた資本家や政治家は滅び、善良な弱者が救われるといった勧善懲悪的な精神を貫いているところにある。パンク・ハードコアの反骨精神を中世の騎士道精神と融合したユニークなバンドなのだ。