Squint(スクウィント)
『Wash Away(ワッシュ アウェイ)』


ミズリー州セントルイス出身の絶叫系エモ・バンドの2作目のEP。デビュー作の『Feel It(フィール・イット)』は、TOUCHE AMORE(トゥーシェ・アモーレ)に影響を受けた絶叫に、Bleed American (ブリード・アメリカン)のころのJimmy Eat World(ジミー・イート・ワールド)のようなギターを合わせたサウンドだった。

前作で確立したサウンドフォーマットを今作でも踏襲しているが、さらにメロディーに磨きかかかり、深化を遂げた作品に仕上がった。バンドキャンプの説明によれば、Superchunk(スーパチャンク)やArchers of Loaf(アーチャー オブ ロープ)、Dinosaur Jr(ダイナーソーjr)などのオルタナ・バンドにインスパイアされ、制作したそうだ。

たしかにノイジーなギターとポップな部分ではSuperchunk(スーパチャンク)やArchers of Loaf(アーチャー オブ ロープ)、Dinosaur Jr(ダイナーソーjr)からの影響を感じる。だが前述のバンドたちにはない、Squint(スクウィント)ならではのオリジナルティーも、今作では確立している。

この作品の魅力はメロディーの良さにある。とくに“Seeds(シーズ)”では、BOOWYのCLOUDY HEART(クラウディー ハート)を彷彿とさせるようなメロディーを、ノイジーにポップに明るく進化させた。何度でも聴きたくなるような、中毒性のあるメロディーに仕上げている。

オルタナからノイズロック、エモやポストハードコアをブレンドし、ノイジーで熱い叫び声という激しさを、メロディックにポップに甘くコーディネートしたサウンド。TOUCHE AMORE(トゥーシェ・アモーレ)の進化系でありながらも、その先をさらに進んだオリジナルティーを獲得している。

このまま順調に成長していけば、フルアルバムが大手サイトでベスト10に選ばれるほど、かなり話題になるのではないか。それほどの才能の片鱗を感じさせる作品なのだ。