ベルギー出身のエモーショナル･ハードコア･バンドの2作目のシングル。Sunny Day Real Estate(サニーディ･リアル･エステイト)やTexas Is the Reason(テキサス･イズ･リーズン)からの影響が強いエモーショナル･ハードコア。
ややるせないさやいじけた気持ちを叫ぶ情動的な歌い方や、ナイーブなメロディーは、当時の雰囲気を完ぺきに近い形で表現している。星空を見ながら愛しの人を想うセンチメンタルな歌詞や、初恋に破れ失意した感情を甘酸っぱい気持ちの初期衝動など、初期のエモそのものだ。
近年日本では“エモい”という言葉が、「何とも言い表せない気持ち」になったときや、「強く心を動かされたとき」に使われている。日本語の意味そのもののエモい感情を、Feverchild(フィーバーチャイルド)は体現している。これはエモ･リバイバルではなく、ノスタルジーで原点回帰に近いバンドだ。
エモ･シーンも後期に進むにつれ、軟弱化が進みロックのダイナミズム情動を失っていったが、あのころの気持ちをひさびさに思い出した。ここまで過去を雰囲気やサウンドを忠実に再現し、懐かしみのあるメロディーで、エモい感情を喚起するバンドなのだ。