DRUG CHURCH(ドラッグ・チャーチ)
『Hygiene(ハイジン)』

ニューヨーク州オルバニー出身のポスト・ハードコア・バンドの4作目。初期のころは、JAWBOX(ジョーボックス)系のエモーショナル・ハードコアやDinosaur Jr(ダイナソーjr)のようなオルタナ・ロックだったが、作品を重ねるごとにステップ・アップし、オリジナルティーあふれるサウンドにたどり着いた。

ドラッグ教会というバンド名で、ウィキペディアによれば、“DRUG CHURCH(ドラッグ・チャーチ)は、社会問題に焦点を当てており、暗くて風刺的な傾向があります。”と書いてあるが、この文章も含め、悪意に満ちた悪ふざけの要素を感じるバンドだ。

だがそのサウンドはTURNSTILE(ターンスタイル)に匹敵する独特なオリジナルティーがある。持ち前のチープで浮遊感あるノイズ・ポップをベースに、ガレージからサイケ、オルタナにメロディックパンク、TURNSTILE(ターンスタイル)っぽいポストコアな要素も取り入れ、荒々しくノイジーでありながらも奇妙で独特なポップ感に仕上げている。

歌詞は“楽しみは終わった”や“退屈”など、あまり意味がない内容を冷笑的に笑うシニカルさがある。古くはProng(プロング)の『Cleansing(クレンジング)』、近年ではVein.fm(ヴェイン.fm)の『Errorzone(エラーゾーン)』のアルバム・ジャケットをオマージュ。そこにはこのバンドを象徴するようなシニカルでストレンジな世界観が漂っている。

ノイジーで明るく奇妙なポップさがありオリジナルティーあふれる作品。昨年のベスト10に入るほど、個人的にはかなり好きな作品。