Fury Of Five(フューリー・オブ・ファイブ)
『Half Past Revenge(ハーフ・パスト・リベンジ)』

ニュージャージ出身のベテラン ミクスチャー・メタル・バンドのじつに9年ぶりとなるEP。ハードコアを中心に、ニューメタルやラップコアやメタル、ストナーロック、ファンクのリズムなどを合わせたサウンドで、98年当時、ミクスチャー・メタルと呼ばれていた。

00年に2度目の解散をし、10年に再結成され、15年に発表されたシングルを経て、7年ぶりに発表された今作でも、そのスタイルは変わらない。だが以前と比べると、全体的にパワフルでヘヴィーで骨太なサウンドに仕上がっている。ヒップホップな歌い回しをするボーカル、ドスの効いたOiコーラス、野太くトリッキーで最新のメタルを取り入れたギター、スローテンポからブラストビートへチェンジしていく変幻自在なドラム。そこにはシリアスさはなく、タフガイのような男くさい熱さがある。

歌詞は、強い信念を貫き、モラルと誠実さをモットーに、不誠実な奴等に立ち向かっていくことについて歌っている。We Are Readyの頭文字をとった“WAR(ウォー)“では、愛する人を守り、愛する人のために死ぬことについて歌い、Revenge Doesn’t Sleep(復讐は眠らない)では、負けた相手に対して復讐を誓ったことを歌っている。

そこには愛する人のため、宿敵と戦っていくことを信念とした掲げた、ギャングさながらのタフガイ精神があるのだ。

ヒップホップな歌い回しからは、90年代の懐かしい匂いが漂っているのは間違いない。だがさほど古さを感じさせない。その理由も最新ヘヴィネスなどを取り入れ、確実にパワーアップしているからだ。いいものをおしゃれに取り入れる都会的なセンスをもったバンドなのだ。