LIFE’S QUESTION(ライフス・クエスチョン)
『World full of… (ワールド・フル・オブ…)』

シカゴ出身のクロスオーバー・スラッシュ・バンドのデビュー作。LEEWAY(リーウェイ)などのニューヨーク・クロスオーバー・スラッシュと呼ばれる、80年代の古きクロスオーバー・スタイルを、さらにテクニカルに進化させたバンド。

ニューヨーク・クロスオーバー・スラッシュのスタイルは今作でも変わりはないが、女性ボーカルとのシンガロングスタイルや、高鳴るギターソロなどを導入し、テクニカルに進化している。

ここまでギターソロに重点を置くと、ハードコアの激しさは薄れ、宇宙空間を漂っているような繊細な音に聴こえる。陶酔感に向かい気持ちが高揚していく陶酔感に満ちた雰囲気とは違い、歌詞は、自然が破壊しつくされた未来への危機や、夢を貫く意志、敵などについて歌っている。

それにしても、ここまで壮大にギターソロに多用したクロスオーバー・スラッシュ・バンドもいない。そういった意味では唯一無二の個性を放っている。現在では珍しいサウンドスタイルのバンドだ。