ニューヨークはロングアイランド出身の新世代ハードコア･バンドの2作目。前作までのサウンドは、Agnostic Front(アグノスティック･フロント)からEarth Crisis (アース･クライシス)、MERAUDER (メラウダー)などのニューヨーク･ハードコアの集大成化した作品であった。それが今作では『Time & Space(タイム＆スペース)』のころのTURNSTILE(ターンスタイル)のようなサウンドに変貌を遂げ、最先端のハードコアに呼応した作品に仕上がった。
今作ではRegulate(レギュレイト)の最高傑作といえるほど、衝動に満ちたサウンドに仕上がっている。リズム感を重視したオールドスクールなハードコア/パンクを中心に、ギターはファンクのリズムからザクザク刻むコードギター、感情のうねりを表現した鳴きのメロディーまで、厚みの増したサウンドを展開している。パーカッションのリズム、ファンクからブレイクダウン、トランスなど、いろいろな要素を加えている。
歌詞は、人種差別から警官の犯罪と黒人に対する残虐行為、労働階級層への搾取など、社会的弱者が虐げられる社会問題について歌っている。その喉を切り裂くような叫び声からは、切実な現状を知ってもらうような請求な思いと、虐げられた者のやりきれない怒りを感じ取ることができる。
まさに新世代のパンク/ハードコア。激しさこそ前作よりも薄れたが、サウンド的にもファンクやトランスなどの独特な要素を取り入れ、オリジナルティーがある。個人的にはかなり好きなバンドだ。