Long Knife(ロング・ナイフ)
『Curb Stomp Earth(カーブ・ストンプ・アース)』

ポートランド出身のハードコア・バンドの3作目。初期のころはポートランドのバンドらしく、Poison Idea(ポイズン・アイデア)からの影響が強いハードコアで、そこにkissや骨太なロック、ザザンロックに日本のハードコアやイギリスのハードコアが入り混じったハードコアを展開していた。

全曲通してバーボンが似合うワイルドさが漂うハードコアだったが、『Sewers of Babylon EP(スーア・オブ・バビロン)』からハードコアにプログレやオルタナ、おーせんてぃんくなロックなど、自由に取り入れたFucked Up(ファックド・アップ)のように、エクスペリメンタルなハードコアを展開していた。

今作も『Sewers of Babylon EP(スーア・オブ・バビロン)』延長にあるサウンドで、実験的なハードコアを展開している。フリージャズのホーンから、超高速ハードコアに、スラッシュメタルのギターソロ、DOORS(ドアーズ)のようなキーボード、BIG BOYS(ビックボーイズ)やM.D.C(ミリオン・デット・コップ)のようなハードコアなど、いろいろな要素をおもちゃ箱のように楽しく詰め込んでいる。

相変わらず、ワイルドさや気合で突っ走っていく熱血といった感情が漂っている。“呪い”や“スカム”“サバイバル“などのホラーな内容の歌詞には、ジョークともとれる笑いの要素が詰まっている。くだらないことに全身全霊を傾け真剣にやるジョークとも取れる熱く気合の入ったサウンド。ヘヴィーで演奏力がものすごく高くテクニカルなサウンドだが、笑顔になるような楽しさがある。

ユーモアがあり個人的には好感が持て、かなり好きなバンドだ。