ENVISION(エンヴィジョン)
『The Gods That Built Tomorrow (ザ・ゴッテス・ザット・ビルト・トゥモロー)』

フィラデルフィア出身のストレートエッジ・バンドの2作目のフルアルバム。ストレート・エッジとクリシュリナ・コアが融合したバンド。ユースクール系ハードコアをベースに、ブラストビートや、叙情的なメロディーギターなどを加えた前作と比べると、今作ではよりメロディックで、パワフルな作品に仕上がっている。

今作もユースクール系ハードコアをベースにしたサウンドで、そこにストップ&ゴーやブラストビーやリフ、メロディーパートなどを加え、より円熟味が増している。

そして嘆きのような叫び声のボーカルには、苦悩が入り混じった感情が漂っている。『明日を築く神々』という意味のタイトルの今作では、人生の苦しみから逃れられないと歌った“Advent(降臨)”から、死にゆく世界の苦しみが聞こえると歌った“This Dying World(死にゆく世界)”など、人間の業や過ちなど、宗教的な倫理観に基づいた内容が目立つ。

自分自身の過ちや苦悩、人々の犯した罪や業に対して宗教的な救いを求めた歌詞には、知識を身につけ、困難や壁を乗り越え成長しようとする建設的な考えがある。

Shelter(シェルター)のようなポップさや明るさはないが、ヘヴィーで異なるアプローチの宗教観の強い作品。