Nainsook(ネーンスック)
『L.M.I.H』

ネパールはカトマンズ出身のメタリック・ハードコア・バンドの1stアルバム。KING NINE(キング・ナイン)やIncendiary(インセンダイアリー)などのニューヨーク・ハードコアをさらに進化させたようなミドルテンポのメタリック・ハードコア。叙情的なメロディーパートのギターから、硬質なハードコア・ギター、ニューヨーク・ハードコアの歌いまわし、シンガロングスタイルのヴォーカル、ピッグスクイールなどを取り入れ、最先端のハードコアを展開している。

歌詞は、差別をなくし団結を呼びかける「Ekata」から、パンク精神を称賛している「Viva La Punk」、警察の暴力に立ち向かう「FTFP」、兄弟愛のテーマにした「KVHC (Kathmandu Valley Hardcoreカトマンズ・バレー・ハードコア)」、バンドの揺るぎないDIY精神を歌った「Let’s Make It Happen (LMIH)」、口先だけで行動しない人々を非難した「Just Chatter」、忠実な友人たちに敬意を表した「Homies」、人前では善人のふりをしながらも、陰で悪口をいう、有害な行動をする人を非難した「Backstabber」、自分自身の真理を探求しハードコアに捧げた人生について歌った「We, Us, and Them」、反抗的な戦いの叫びを歌った「One Hardcore, No Mercy」など、団結や回復力、ハードコアの生々しいエナジーとリアリティーがテーマになっている。

ハードコアは単なる音楽ではなく、生き方であることを証明するため活動し、闘争と団結を理念に活動しているバンド。アジアの途上国にあるバンドだが、そのサウンドは、サン先端で洗練されている。まさにカトマンズ・バレー・ハードコアという、唯一無二の個性があり、誇りを闘争心と熱意を感じる熱いバンド。アメリカや日本やヨーロッパのバンドにもひけを取らない、かなり素晴らしい作品。