INSURGENT(インサージェント)
『Reverse The Curse(リヴァース・ザ・カース)』

フランス最北端のオー=ド=フランス地方出身のメロディック・ハードコア・バンドのEPを含めた通算3作目となるシングル。

Modern Life Is War(モダン・ライフ・イズ・ウォー)やComeback Kid(カムバック・キッド)、Carpathian (カルパティア)のメロディック・ハードコア路線に、金属的で重厚なメタルコアのリフや、ハードコアのスピード感やブラストビート、スクリーモの叙情的なフレーズなどを融合し、ヘヴィーかつメロディックに仕立てた。

メロディーにメタルコアな要素を融合した部分では、イージーコアに似ているが、そこまでのポップさはない。まるでデカダン文学のようなヨーロッパ的な耽美で退廃的なメロディーと、シリアスな空気がアルバム全体を支配している。

「反乱者」「暴徒」「反政府勢力」という意味のバンド名が示す通り、いままで階級闘争や政治的な怒り、悲しみや苦難など悩みを歌ってきた。今シングルでは、「堕落し、歪められ、私たちは皆分断されている」と歌い、低所得者と富裕層、移民と宗教、教育システムにより分断する社会で蔓延する、嘘や憎しみや疑念や良心の呵責、罪の意識への煩悶などの内面の葛藤を歌っている。

サウンドもいままでよりもさらにスクリーモよりのメロディックな叙情的を増し、新境地を開いた。ヨーロッパ的な世界観のメロディーと、ハードコア、メタルコア、スクリーモ、オールドメタルなどが混ざり合いジャンルを超越したハイブリッドなサウンド。このバンドならではの異彩を放つ音楽性のある作品だ。