BEATDOWN HARDCORE ビートダウン・ハードコアについて(ヨーロッパ編)

𝄃ドイツのビートダウンハードコア

ドイツではBrawl Between Enemies(ブロウ・ビトウィーン・エネミーズ)からFALLBRAWLL(フォールバール)、Cunthunt777(カンハント777)、Recount(リカウント)、CIRCLE OF DEATH(サークル・オブ・デス)、COPYKILL(コピーキル)、SUCKAPUNCH(サッカアパンチ)、Age of Disgrace(エイジ・オブ・ディスグレイス)、HARLEKIN(ハレキン)、EMBRACED BY HATRED(イムブレイスド・バイ・ヘイトレッド)など、多くのバンドを輩出している。また隣国であるベルギーと密接したシーンでもあり、全体的にブルータル色の強いビートダウン・ハードコアを展開しているバンドが多い。Heaven Shall Burn (ヘヴン・シャル・バーン)やCALIBAN(キャリバン)などのメタルコアに影響を受けたバンドたちが、ビートダウン・ハードコアと結びついた。
 

Brawl Between Enemies(ブロウ・ビトウィーン・エネミーズ)


出典:METAL MUSIC ARCHIVES
Brawl Between Enemies(ブロウ・ビトウィーン・エネミーズ)もNASTY(ナスティー)から進化したメタリック・ハードコアを中心に、ノイズ系の重いギターを加えたサウンドを展開している。メタリック・ハードコアなサウンドだが、ヒップホップの歌い回しやブラストビート、映画音楽などを取り入れ、Brawl Between Enemies(ブロウ・ビトウィーン・エネミーズ)ならではのサウンドを追求している。Brawl Between Enemies(敵同士の喧嘩)というバンド名が示す通り、歌われている内容は、戦い喧嘩する内容が多い。“Rats Get Fat While Good Men Die(ネズミは肥え善人は死ぬ)”や“This Means War(これは戦争を意味)”や、“Kill Your Local Drug Dealer(地元の麻薬の売人を殺す)”などのタイトルや曲では、マフィアのように道義に反した行為や裏切りに対して、徹底的に戦う姿勢を示している。ヨーロッパでは珍しいタフガイ・アティテュードを持ったバンドなのだ。
 

FALLBRAWLL(フォールバール)


出典:fallbrawlhc.com
FALLBRAWLL(フォールバール)はHeaven Shall Burn (ヘヴン・シャル・バーン)などのドイツ製メタルコアに影響を受けながら、デスメタルやメタリック・ハードコアをブレンドさせたサウンドを展開している。2015年に発表された『Chaos Reigns』では、ジャーマン・メタルのメロディーやブラストビート、ハードなブレイクダウンを取り入れ、溶鉱炉ですべて融解させたサウンドで、さらなる新境地を開いた。
 

Words of concrete(ワーズ・オブ・コンクリート)


出典:facebook
Words of concrete(ワーズ・オブ・コンクリート)は、NASTY(ナスティー)と同じくメタリック・ハードコアから進化したバンド。ハードコア度は低く、スローテンポのメタルの重厚さを重視している。電源がショートしたようなダウンチューニングされたギター。うめき声のようなボーカル、ダウナーで落ち着きを重視した曲展開。“Resurrection Of The Hopeless(絶望の復活)”や、“End of Days(終わりの日)”、 Negative Vibes(ネガティヴ・バイブス)などの曲では、救われない絶望や世界の終わりなどについて歌っている。立ち向かっていくタフガイ・アティテュードよりも、ネガティヴでダウナーな終末観を全面に掲げたバンドなのだ。