Quick To Judge(クイック・トゥ・ジャッジ) 『DEMO(デモ)』 (2025)
ボストン出身のグルーヴ・ハードコア・バンドによるデビューデモ。 85年から90年にかけてニューヨークで活動した Outburst(アウトバースト)からの影響が色濃く、スピーディーなオールドスクール・ハードコアを軸にしつつ、グルーヴィーな展開やストップ&ゴーなどの要素を織り交ぜ、オールドスクールとニュースクールの中間に位置するサウンドを構築している。
歌詞では、「Roll of the Dice(サイコロを振る)」で 「人生はサイコロを振るようなもの──幸せだと思っているけれど地獄で暮らしている──何のために戦うべきか、それは君の中に生まれてくる」 と歌い、運命や他者の干渉の中でも自分の生き方を守ろうとするストリート的な闘争心を描いている。
「Quick to Judge(早とちり)」では 「お前は俺が人生で十分なことをしているかすぐ判断する──お前が俺の生き方を決める権利はない」 と歌い、他者からの干渉や評価を拒絶し、自分の人生を守るための攻撃的な自己主張を表現している。
「Not Like Me(私とは違う)」では 「嘘の裏側を見せてくれ──君が望むのは無料でもっと多くを手に入れること」 と歌い、相手の偽善や欺瞞を暴き、搾取する支配者との関係を断ち切り、自分の価値を守ろうとする闘いを描いている。
これらのテーマは、ニューヨーク・ハードコアのバンドに多く見られる、敵対勢力や支配階級への怒り、自己防衛、そして自分の信念を貫く姿勢と強く結びついている。タフガイコアとユースクルーの良さを融合した歌詞が大きな魅力だ。
サウンドはアグレッシブでキャッチーで、一見シンプルに聞こえるが、ここまで緻密に計算されたグルーヴィーなハードコアはこれまで存在しなかった。そのグルーヴ感には、このバンドにしかない独自性がある。おそらく発表されるデビュー作は、かなり話題になる作品となるだろう。