Bad Religion(バッドレリジョン) – Cold as the Clay(コールド・アズ・ザ・クレイ) (2006)

06年に発表された1Stソロアルバム。アメリカン・リージョン名義で発表された前作のソロは、バッド・レリジョンの原型となる曲を集めた作品だった。このアルバムでは、新たに作られた曲に、カバー曲の半数を合わせた。かなり力を入れ本格的に仕上がった作品だ。

コンセプトは古きよきアメリカの郷愁と憧憬。昔のレコーディングスタイルと、古い楽器を使い、18世紀から19世紀にかけての当時の雰囲気を忠実に再現し、アメリカ文化を形成するのに一役買ったトラッド・ソングをカバーしている。現在も歌い継がれている古い昔の歌が、複雑になった現代の暮らしの中で、牧歌的な憧れを抱かせてくれることを目的として作られたそうだ。

サウンドは典型的なノスタルジック路線だ。バンジョーを中心としたフォークソングから、西部劇をイメージさせるカントリーなど、トラディショナルなオールタイムミュージックでしめられている。グレッグ自身が10代のころの多感な時期に影響を受けたミュージシャンをカバーしたというよりも、幼いころ聴いたり、歌った曲――潜在意識の根底にあるものをアウトプットしたようだ。

ここでグレッグが見せている顔は、フィクションという第三の顔だ。バッド・レリジョンでは直截的な言葉で自らの主義や主張を述べてきた。アメリカン・リージョンではパーソナルな部分を初めて見せた。ここでは、古きよきアメリカの麦畑の風景や、幼いころの思い出(怒りの葡萄のような話)という物語を借りて、自らの想いを淡々と語っている。

これを聴いていると何がグレッグをパンクへと駆り立てて行ったのか理解できる。そこには大企業を優遇し何もしてくれない政府への怒りや、祈っても幸せにしてくれないキリスト教への不信など、幼いころに経験した矛盾や境遇が現在の反逆心へとつながっているのだ。

歌詞サウンドともにこれまでになく、新しい新境地に挑んだ作品だ。個人的には、古きよきアメリカの知らない音楽を知ることが出来たし、グレッグの新しい一面を知ることも出来た。なによりセピア色に染まった古いアメリカの写真のような、このアルバムの世界観がとても好きだ。

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