EASYCOREイージーコア・シーンについて(2008~)


 
現在、メロディック・パンク界では新しいシーンが生まれている。その名もEasyCore(イージーコア)と呼ばれるシーンだ。GREEN DAY(グリーンディ)やBad Religion(バッド・レリジョン)などのメロコアと呼ばれた世代をメロディック・パンクの第一世代とするなら、BLINK182(ブリンク182)やSUM41(サム41)に代表されるバンドが第二世代。FALL OUT BOY(フォール・アウト・ボーイ)、PANIC AT THE DISC(パニック・アット・ザ・ディスコ)などが第三世代にあたる。そして第四世代に当たるのが、現在のイージーコアと呼ばれるシーンだ。
 
メロコアと呼ばれた第一世代~94年以降
まずはメロディック・パンクの歴史から紹介したい。90年代中ごろに活躍していたGREEN DAY(グリーンディ)やBad Religion(バッド・レリジョン)、offspring(オフスプリング)やface to face(フェイス・トゥ・フェイス)、NOFXなどのバンドたちはメロコアと呼ばれ、メロディック・パンクの第一世代にあたる。西海岸が中心で、カラッと明るいメロディックなサウンドが特徴的だった。体制批判やシニカルなユーモアなど、いわゆる初期パンク・アティテュードを継承していた。
Bad Religion(バッド・レリジョン)
出典:Punx In Solidarity
 
メロディックパンクの音楽性とアティテュードを確立した第二世代~99年以降
現在、メロディック・パンクと呼ばれるバンドたちは、明るくノー天気でパーティ的な楽しさが特徴だ。そのアティテュードを確立したのがBLINK182(ブリンク182)だ。彼らはサウンド的にも特徴がありハードロックのメロディックなフレーズをパンクに融合し、メロディック・パンクというサウンド・スタイルも確立した。後世のメロディックパンクの80%以上は、どこかしらBLINK182(ブリンク182)からの影響を感じる。それほど強い影響力を与えたバンドだった。そのほかにもメタルフレーズを取り入れたSUM41(サム41)、New Found Glory(ニュー・ファウンド・グローリー)、ピアノ・パンクのSOMETHING CORPORATE(サムシング・コーポレート)、キラキラメロディーのThe Starting Line(ザ・スターティング・ライン)といったバンドたちが第二世代に該当する。
BLINK182(ブリンク182)
出典:altpress.jp
 
メロディック・パンクに多様性をもたらした第三世代~05年以降
そして第三世代の特徴は、異なるジャンルの音楽をメロディック・パンクに融合させたバンドたちだ。メロディック・パンクにスイング・ミュージックと呼ばれるシカゴ・ジャズのギタースタイルを融合したFALL OUT BOY(フォール・アウト・ボーイ)、煌びやかなディスコ音楽とメロディックパンクを融合したPanic! at the Disco (パニック・アット・ザ・ディスコ)、ヒップホップやDJスクラッチなどを取り入れたGood Charlotte(グッド・シャーロット)、女性ボーカルのparmore(パラモア)、ムーヴシンセのMotion City Soundtrack(モーション・シティー・サウンドトラック)と、全く異なる音楽をメロディック・パンク取り入れ、各々に個性を打ち出したのが第三世代の特徴だ。
FALL OUT BOY(フォール・アウト・ボーイ)
出典:onrecordmag.com