アルバムレビュー

Cosmic Joke (コスミック・ジョーク)

ロサンゼルス出身のハードコア・バンドのデビューアルバム。Descendents (ディセンデンツ)やMinor Threat(マイナースレッド)やAdolescents (アドレセンツ)を融合し激しくしたようなメロディックよりのハードコアで、自らが抱えてる劣等感や社会問題を、自暴自棄になっているような歌い方で叫んでいく。

歌詞は、保守とリベラルに完璧に分断されたアメリカ社会を歌った“Tempered Expectations(テンプレッド・Tempered Expectations)”から、お金や新しい車、新しいギターなど、消費社会をバカにした“Hedonic Treadmill(ハーメティック・トレッドミル)”などについて歌い、冷めた視線で、自分がどこにも属さないアウトロー的な、主流派とは距離を置いている姿勢がある。

80年代の西海岸のバンドに多かった、シンプルなパンクをベースにしたハードコアで、中産階級のコンプレックスと怒りを叩きつけサウンド。そのサウンド・スタイルに、強烈なリズムを加え、現在にブラシュアップして甦らせたバンドなのだ。

BIG BOY(ビッグ・ボーイ)
『SPRING PROMO 2023(スプリング・プロモ 2023)』

カルフォルニア州はサンノゼ出身の新世代ハードコア・バンドのデビューEP。Sunami(スナミ)や Eightfold Path(エイトフォールド・パス)のメンバーによって結成されたバンドで、ミドルテンポのグルーヴィーなハードコアを展開している。

Sunami(スナミ)のように変則的なリズムのなかに複雑なフレーズを散りばめたバンドで、失恋から、孤独、疑心暗鬼など、あらゆる愛の形を歌っている。

ニュースクール・ハードコアのグルーヴィーなギターから、バッファーロ―ハードコアのスタイル、サンプリング、ビートダウン・ハードコアまで、あらゆるエッセンスをぶち込んだハードコアは、まさに新世代の新しいスタイルのハードコア。これからのハードコア界を担っていくだろう新鮮さにあふれた作品。

Balmuda(バルミューダ)
『With Thorns of Glass and Petals of Grief(ウィズ・ソーンズ・オブ・グラス・アンド・ペタルズ・オブ・グリーフ)』

コネティカット州出身のデビューEP。メロディック・デスメタルからメタルコア、スクリーモとビートダウン、クラシックを融合したサウンド。

金属的な重厚のメタルコアなギター、激しく絶叫するボーカル、叙情的なメロディー、急激に落とすビートダウンなど、いろいろなジャンルの音楽が複雑に入り混じった、カオティックなサウンドを展開している。

脆弱で儚く切ない感情に満ちったサウンドで、歌詞は、うつ病や自殺、愛、死、悲しみなどがテーマになっている。テクニカルで、メタルコアの最先端の進化いるバンド。