ここではニューヨーク・ハードコアとデトロイト・ハードコア『Why Be Something That Youre Not』の著者であるTony Rettman(トニー・レットマン)が、17年に発表した著書『Straight Edge(ストレート・エッジ・シーン)』を中心に、ストレート・エッジ・シーンを紹介したい。
アメリカン・ハードコアのジャンルのひとつとして知られるストレート・エッジ。この本では37年に渡るストレートエッジの歴史を、当事者のインタビューを載せる形で当時の出来事を紹介している。シーンの裏側や、知られることのなかったエピソードや、実際の話など、くまなく紹介している。
ストレート・エッジとは、「喫煙をしない」「麻薬をやらない」「アルコールを飲まない」「快楽目的のセックスをしない」という基本理念を掲げたパンク・ハードコアの思想だ。1980年にIan MacKaye(イアン・マッケイ)が当時在籍していたバンド、The Teen Idles(ティーン・アイドルズ)がアメリカ西海岸ツアーを行った際、メンバー全員が未成年であったためにライブハウスから演奏を拒否されたことから始まる。未成年がライブでアルコールを飲む可能性があったため、演奏することを拒否された。クラブオーナーとの妥協案として、彼らにアルコール類を出さないようにバンドメンバーの手の甲に大きくバツ印(×)を書いた。アルコールを飲まない=手の甲に×が、のちにストレートエッジのシンボルとして扱われるようになった。
出典:VibrantVictoria
この本の内容を順を追って説明していくと、ストレートエッジ思想の大本を紹介したWASTED YOUTH…では、60年代のロックの定義であった「セックス、ドラッグ、ロックンロール」を否定し、アンチ・テーゼとしてストレートエッジ思想が生まれたと紹介。
出典:Wikipedia