NYC Headhunters(ニューヨーク・シティー・ヘッドハンターズ) 
『The Rage Of The City 7”(ザ・レイジ・オブ・ザ・シティー)』

16年発表の2作目のEP。NYC Headhunters(ニューヨーク・シティー・ヘッドハンターズ)というバンド名だが、実際はボストン出身のバンドらしい。このバンド名の意味を勘ぐるのなら、ボストンのいい人材をニューヨークに引き抜かれるという皮肉に満ちた意味が込められているようにも思える。だが実際のところ、そのバンド名の意味は分からない。

その彼らのサウンドとは、G.B.Hのシンプルで骨太のギターサウンドをベースにしたハードコア。そこにSLAPSHOT(スラップ・ショット)などの畳みかける勢いのドラムを加えた。シンプルなUKハードコアに、ボストン・コアのエッセンスを加えたサウンドなのだ。

だからなのか、ここにはニューヨーク・ハードコアのようなギャングの匂いがするシリアスさがまったくない。あるのは激しく踊り汗をかくような熱血漢。お互いに火花を散らしあいながらも、憎しみを感じない、どこかフェアー態度で挑んでいるスポーツマンシップのような健やかさがある。男くさく荒々しいサウンドのなかに感じる熱血さや正々堂々とした態度が、このバンドの魅力といえるだろう。

ボストンといえば、突発的な進化を遂げたバンドが多いが、彼らはボストン・ハードコアの正当な路線を引き継いでいる。ボストンのなかでは稀有な存在といえるかもしれない。ともあれ熱い気持ちにさせてくれる作品だ。