What You Don’t See THE STORY SO FAR ICE GRILL$ 2013-03-26 |
13年に発表された2作目。メロディック・パンクという基本的な部分では変わりはない。変わった部分といえば、前作よりもキラキラ・メロディーが減り、重いギターのリフと、ボーカルの力強さが増したところか。そのほかの部分ではさほど変化がない。
それにしても前作では人生のすばらしさを歌ったキラキラした純粋さが魅力であったが、今作では、もっと立ち向かう姿勢が強化されている。相変わらず熱血漢な熱い感情が中心だが、今作ではそこに、大人の魅力を加えている。たとえば“ザ・グラス”ではギターメロディーに力を入れている曲だが、そこにシンガロング・スタイル・ボーカルを取り入れる事によって、熱さのなかにある揺らめくような大人の感情を表現している。明るく前向きな部分をボーカルの熱さが表現し、メロディーが後ろ向きの陰の部分をみごとに表現している。その組み合わせが絶妙で感情の奥深さを表現しているのだ。この作品の魅力は、表現に陰りという大人の部分を取り入れたところだ。彼らの成長を感じる作品だ。