テル・オール・ユア・フレンズ テイキング・バック・サンデイ ビクターエンタテインメント 2003-02-21 |
02年に発表されたデビュー作。この年はスライスの2nd、ユーズドの1stなど、個性あふれるバンドたちの重要な作品が発表され、一区切りにスクリーモと呼ばれていた。テイキング・バック・サンデーもまた、彼らと同じくスクリーム(叫び)があったため、スクリーモと呼ばれることに。だが3者それぞれにルーツが違う。スライスはハードコアから発展したメタルコアサウンドで、ユーズドは冷たいメロディーのメタルから発展したスクリーモ。スクリームにも違いがあり、スライスは怒声でユーズドは悲鳴に近い叫び声が乗るスタイルだ。
そしてテイキング・バック・サンデーは、東海岸のパンクやエモーショナルハードコアをベースにしたサウンド。メタルからの影響は一切ない、ツインボーカルに、エモーショナル・ハードコアサウンドと、熱い叫びが乗るスタイルだ。彼らの経歴を記すと、1999年、ロングアイランドにて結成。2001年、レイシーがバンド、ブランド・ニューで活動するため脱退、代わりにアダム・ラザーラが加入した。この時、ラザーラはボーカルではなくベースを担当し、この時のボーカルはアントニオ・ロンゴ。 02年にはロンゴがバンドを抜け、ショーン・クーパーがベースとして加入。この時からアダムがボーカルとして定着。今作を発表するにいたった。
この作品では彼らの独自のスタイルがあるが、まだ研磨されていない。終始ミドルテンポのエモーショナル・ハードコアをツインボーカルでやった状態。サウンド面でまだオリジナルティーを確立していない。例えるならダイヤの原石の状態だ。でも未熟さを衝動やパワーで押し切っている。その姿勢が好感が持てるし、熱くてエモい。青春の一ページを見事に閉じ込めた、これはこれですばらしい作品だ。