10年ロサンゼルスで結成されたニュースクール・ハードコア・バンドの、11年に発表されたデビューEP。これが面白いサウンドを展開している。マッド・ボールやオンリー・リヴィング・ウィットネスなどのニューヨークやボストン・ハードコアから影響を受けたサウンドを中心に、そこに息が詰まるような緊張と静謐をつむぐアコースティックギターや、変則的なリズムのリフなどを織り交ぜ、彼らしかありえないハードコアを展開している。
マッド・ボールをさらに発展させたオリジナルティーあふれるサウンドもさることながら、彼らの魅力はその世界観にある。ギャングで不良のハードコアという部分では、マッドボールのアティチュードと共通している。しかしマッドボールよりもさらに死について突き詰めている。その世界観は、ダークでシリアス。まるで死神が迎えに来るような妖艶な雰囲気に満ちている。
変則的なリズムを刻むギターのリフやスローテンポを重視しているサウンドからは、まだマッドボールの影響を抜け切れていない。彼らの真価を発揮するのは次の作品から。