Gone Wrong(ゴーン・ロング)
『Attention(アテンション) 』

バーモンド州出身のスケーター・ハードコア・バンドのEP。14歳から17歳までの若いメンバーで構成され他バンド。17歳以下のパンク/ハードコア・バンドといえば、イギリスのEater(イーター)やAgnostic Front (アグノスティック・フロント)のライヴで一曲だけボーカルを担った、のちのMadball(マッドボール)のボーカル、Freddy Cricien(フレディ・クリシュアン)を思い出す。

 

どちらのバンドも初々しくて、オリジナルティーは皆無だったが、Gone Wrong(ゴーン・ロング)もBlack Flag (ブラック・フラッグ)やChain of Strength(チェイン・オブ・ストレングス)をもろパクしたようなハードコア。録音状態も悪く、音がこもり、お世辞にもこのバンドにしかないオリジナルティーや高いクオリティーがある作品とはいえない。だがここで感じ取ることができるのは、なにがなんでも絶対に歌わなければいけないという衝動と使命感。

 

曲のタイトルも、“New Song(新曲)“や、“Phones(電話)”、“Scared To Fight(戦うのが怖い)”、“Just An Excuse(ただの言い訳)”など、自分が感じた気持ちを率直に歌詞にした内容。そこには深い人生考察は、ポリティカルな怒りなどまったく存在ない。歌詞に意味などない。発展途上の過程にある未成熟な歌声に、むしゃくしゃする気持ちのせ、ただノイジーでうるさい音に憧れ、抑えきれない衝動がある。自分の知らない未知の世界や大都会の流行への憧れ。大人と同じことをしたい欲求。そんなクソガキで特有のイノセントで生意気さが詰まった作品なのだ。

 

バーモンド州という大自然に囲まれた片田舎の小さな街。その環境で育まれた、打算やバンド戦略のない初期衝動もろだしのハードコアは、無色透明な純粋さを感じさせる。あとで恥ずかしく後悔するような無謀な若さ。個人的に好感の持てる作品だ。

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