Conservative Military Image(コンサバーティブ・ミリタリー・イメージ)
『Tragedy of the Commons/Yard Hard(トラジェリー・オブ・ザ・コモンズ/ヤード・ハード)』

シカゴのOiパンク/ハードコア・バンドの5枚目のシングル。“保守的な軍事イメージ“というバンド名通り、Oiを中心とした保守的なパンク/ハードコアを展開しているバンド。だが彼らしかない個性を持っている。

Conservative Military Image(コンサバーティブ・ミリタリー・イメージ)のルーツは、スキンヘッズとハードコア・ファンの両方に絶大に支持を得ていたニューヨーク・ハードコアのWarzone(ウォーゾーン)にある。そのWarzone(ウォーゾーン)の音楽を、さらに改良したのがConservative Military Image(コンサバーティブ・ミリタリー・イメージ)なのだ。

とはいってもサウンド的にはWarzone(ウォーゾーン)からの影響はあまり感じられない。2ビート2コードの80年代UKハードコア/パンクをベースに、シンプルで野太いギターをメインにした男くさいサウンド。Oiパンクの熱いボーカルが、小気味よいリズムに乗せて熱い魂の叫びをシャウトしていく。

暴力的に対立するハードコア・シーンとスキンヘッズシーンの両方に好かれるバンドを目指し、活動をしているConservative Military Image(コンサバーティブ・ミリタリー・イメージ)。“I’m Not Your Skinhead(あなたは私が(認める)スキンヘッドではない)”や“Summertime Skinhead(夏時間だけのスキンヘッド)”という曲では、このバンドの精神性を示している通り、スキンヘッズに好かれる、もしくはみんながイメージするOiではないと、宣言している。労働者階級の男くささや愛国心、ビールによる飲酒、Oiコーラスは保持しながらも、フェミニストやリベラルにも好かれる新しいOiのスタイルを提示しようとする姿がそこにはある。

Conservative Military Image(保守的な軍事イメージ)というバンド名のせいで、現在bandcampやInstagram、facebookからアカウント凍結されているそうだ。彼らの思想は、ミリタリーが好きで、愛国心にあふれていて、保守であることに間違いない。だが私が調べた限りでは、ミソジニーやレイシストではないようだ。労働者階級のプライドを誇りに、Sham69(シャム69)のJimmy Pursey(ジミー・パーシー)のような男くささを持ったバンドなのだ。