1月のベストパンク&エモソング Brooklyn Vegan(ブルックリン・ヴィーガン)誌



Brooklyn Veganのサイトで、1月のベストパンク&エモソングが発表された。

以下翻訳

ジャンル擁護論は、Brooklyn Vegan(ブルックリン・ヴィーガン)誌のコラムで、パンク、ポップパンク、エモ、ハードコア、ポストハードコア、スカパンクなどを取り上げている。特に、これまで必ずしも真剣に扱われてこなかったバンドやアルバム、サブジャンルに焦点を当てることも多い。

2026年の最初の月が終わりました!2025年のベスト・パンク・アルバム50選(そして年末年始に公開された12月のベストパンクソングリストも)をチェック済みで、2026年の素晴らしい音楽に飛び込む準備ができていることを願っています。だって、もうすでにたくさんあるんですから。

今年リリースされたパンク、エモ、ハードコア周辺のアルバムをこれまでに11枚レビューしてきた。Joyce Manor(ジョイス・マナー)、Red Sun, I Promised the World(レッド・サン、アイ・プロミスト・ザ・ワールド)、Feels Like Heaven(フィールズ・ライク・ヘヴン)、Rifle(ライフル)、Violent Way(バイオレント・ウェイ)、Home Star(ホーム・スター)(旧Marietta(マリエッタ))、Youth Novel(ユース・ノベル)、Crush Your Soul(クラッシュ・ユア・ソウル)(旧Mindforce(マインドフォース))、 Backengrillen(バッケングリレン)(元Refused(リフューズド))、Colossal Rains(コロッサル・レインズ)(元Blacklisted(ブラックリステッド))など。さらに今月リリースされた楽曲から、主に今後のアルバム収録予定となる10曲を厳選し、以下に紹介

まずは、いくつかの記念日を祝おう。今年で30周年を迎えるクラシックなエモやポストハードコアのアルバムや、25周年を迎える作品などだ。

以下に、1月のベスト10曲(パンクの範疇に入る楽曲)を順不同で選んでみました。


Poison The Well by Sarai Kelley

Poison The Well(ポイズン・ザ・ウェル) – 『Thoroughbreds(ソロブレッズ)』

1999年の『The Opposite of December(ジ・オポジット・オブ・ディセンバー)』で2000年代初頭のメロディック・メタルコアブームの青写真を描いたPoison The Well(ポイズン・ザ・ウェル)は、その後も勢いを失うことはなかった。続く4枚のアルバムではそれぞれ異なる方向性を追求し、最も実験的な作品で幕を閉じた。そして今、17年ぶりの新作アルバム『Peace In Place(ピース・イン・プレイス)』をリリースするべく帰還。先行シングル「Thoroughbreds(ソロブレッズ)」は、Poison The Well(ポイズン・ザ・ウェル)がこれまで手掛けてきたあらゆる要素を巧みに融合させた作品だ。変幻自在のバンドが、最もヘヴィに、最もメロディックに、そして最も予測不能な姿を見せる瞬間が随所に散りばめられ、真の進化を感じさせる。3月20日にはPoison The Well(ポイズン・ザ・ウェル)がさらに何を用意しているかが明らかになるが、今のところ非常に興奮させる舞台は整っている。

 



Honor Choir(オナー・クワイア) – 『Satellite Receiver(サテライト・レシーバー)』

近年、無題のblink(ブリンク)やBox Car Racer(ボックス・カー・レーサー)を影響源に挙げる新進バンドが増えているが、Honor Choir(オナー・クワイア)ほどそれらのレコードを忠実に再現しようとするバンドは見たことがない。オクラホマシティのバンドHonor Choir(オナー・クワイア)が近々リリース予定のEP『Modes of Transport(モーズ・オブ・トランスポート)』に収録される「Satellite Receiver(サテライト・レシーバー)」は、2002年から2003年頃のTom DeLonge(トム・デロング)の未発表曲のような響きを持ち、当時のトムの実際の楽曲が持つあの絶妙な感覚を完璧に再現している。彼らが影響を受けたアーティストを隠すつもりは全くない(Rival Schools(ライバル・スクールズ)、Far(ファー)、Hey Mercedes(ヘイ・メルセデス)も挙げており、確かに納得だ)。しかし、これまで無数のバンドが『Enema of the State(エネマ・オブ・ザ・ステート)』を模倣してきた中で、トムの暗く芸術的な側面をこれほど見事に捉えたバンドが現れるのは、遅すぎるほど遅かったと言えるだろう。

 



Holder by Cooper Rich

Holder(ホルダー) – 『Inconsolable(インコンソラブル)』

現在、2000年代初頭のポストハードコア、メタルコア、スクリーモを復活させる新進バンドが数多く登場しているが、ウェスタン・マサチューセッツ出身のHolder(ホルダー)は、DAZEレーベルからリリースした2曲入りシングルで2026年を幕開けし、群を抜いた存在感を示している。彼らはThis Day Forward(ディス・デイ・フォワード)や初期のUnderoath(アンダーオース)を影響源として挙げており、これらのバンドと同様に、スクリーモとメタルコアの境界線を揺れ動くスタイルを貫いている。まさに1999年から2002年頃の、この音楽が主流に完全に浸透しておらず、ジャンル間の境界線が曖昧だった時代のスタイルだ。しかし彼らは決して模倣に陥ることなく、ボーカリスト(単にブリーと名乗る)の叫び声はまさに鳥肌が立つほどだ。

 



Dry Socket(ドライ・ソケット) – 『Rigged Survival(リグド・サバイバル)』

生活費の重圧に押し潰されそうな感覚は、スウィング感あふれるパワフルなハードコアソングを書きたくなるようなものだ。ポートランドのDry Socket(ドライ・ソケット)が「Rigged Survival(リグド・サバイバル)」でまさにそれを実現した。これは彼らのセカンドアルバム『Self Defense Techniques(セルフ・ディフェンス・テクニックス)』からの先行曲であり、バンドによれば「絶えず我々から搾取するシステム」の中で生き延びようとする者たちが陥るパニックを映し出す意図がある。Dani Allen(ダニ・アレン)の「頭がおかしくなりそうだ!」という冒頭の絶叫からして、まさにその意図を体現している。



Feels Like Heaven(フィールズ・ライク・ヘヴン) – 『Sandra Bullock(サンドラ・ブロック)』

スウェーデンのハードコアバンド、Speedway(スピードウェイ)が2025年最高のパンクアルバムの一つとなる『A Life’s Refrain(ア・ライフズ・リフレイン)』(レボリューション・サマー風の作品)をリリースしてからわずか数ヶ月後、Speedway(スピードウェイ)のメンバーは2026年を華々しく幕開けした。彼らが参加する別バンド、Feels Like Heaven(フィールズ・ライク・ヘヴン)のデビューLPがリリースされたのだ。そしてわずか数週間で、Feels Like Heaven(フィールズ・ライク・ヘヴン)は既に昨年Speedway(スピードウェイ)が巻き起こした興奮に匹敵するほどの話題を今年も呼んでいる。彼らのアルバム『Within Dreams(ウィズイン・ドリームズ)』全体がエモ調のメロディック・ハードコアの傑作だが、『Sandra Bullock(サンドラ・ブロック)』は特に際立っている。その理由は、この曲がアルバム内の他のどの曲とも似ていない点にある。サークルピットを誘発する激しい楽曲が大部分を占める『Within Dreams(ウィズイン・ドリームズ)』の中で、この曲はよりソフトでミッドテンポな曲調。Fiddlehead(フィドルヘッド)とBraid(ブレイド)を掛け合わせたようなサウンドだ。近頃なかなか聴けないタイプのエモを、Feels Like Heaven(フィールズ・ライク・ヘヴン)は見事に表現している。



Racecourse(レースコース) – 『Caledonia(カレドニア)』

サンタクルーズのエモシーンで何か動きがあるようだ。First Day Back(ファースト・デイ・バック)は昨年のブレイクを果たしたOGスタイルのエモバンドだが、大晦日には彼らの友人であるRacecourse(レースコース)のデビューアルバム『July, December(ジュライ、ディセンバー)』がリリースされた。本作は彼らのドラマーであるBen Chung(ベン・チョン)がプロデュースを担当(First Day Back(ファースト・デイ・バック)のアルバムも彼がプロデュース)。ベース演奏と楽曲制作にはFirst Day Back(ファースト・デイ・バック)のルーク・ジョンソンが参加している。しかしFirst Day Back(ファースト・デイ・バック)がCap’n Jazz(キャプン・ジャズ)とSunny Day Real Estate(サニー・デイ・リアル・エステート)の融合のようなサウンドであるのに対し、Racecourse(レースコース)はMineral(ミネラル)やEveryone Asked About You(エブリワン・アスクド・アバウト・ユー)を彷彿とさせる繊細でスローコア的なエモを奏でる。アルバムのハイライト「Caledonia(カレドニア)」を聴けばその特徴がわかるだろう。ゆったりとしたテンポ、かすかにブーンと鳴るシンセ、きらめくギター、躍動感あるベースライン、そしてReya Langen(レイア・ランゲン)の冬を思わせるボーカルが織りなす、ひそやかな憂愁の一服。1999年に埋もれたエモの名曲のようで、2026年の今聴いても当時と変わらず胸に突き刺さる。



The Saddest Landscape(ザ・サデスト・ランドスケープ) – “From Home They Run(フロム・ホーム・ゼイ・ラン)”

The Saddest Landscape(ザ・サデスト・ランドスケープ)は、25年近いキャリアの大半において最も過小評価されてきたスクリーモバンドの一つだったが、2026年には待望の評価を得られるかもしれない。彼らは10年ぶりのアルバム『Alone With Heaven(アローン・ウィズ・ヘヴン)』を発表し、注目すべき3組のゲスト参加が実現した:Touché Amoré(トゥーシェ・アモレ)のJeremy Bolm(ジェレミー・ボーム)、 Into It(イントゥ・イット)とOver It(オーバー・イット)で活躍したのEvan Weiss(エヴァン・ワイス)、Julien Baker(ジュリアン・ベイカー)だ。さらに、伝説のSteve Albini(スティーブ・アルビニ)が逝去前に一部を、Jack Shirley(ジャック・シャーリー)(Deafheaven(デフヘヴン)、Gouge Away(ガージ・アウェイ)、Loma Prieta(ローマ・プリエタ))が一部をプロデュースしている。言うまでもなく、本作はAlbini(アルビニ)とBaker(ベイカー)の最後の共同作業となった。Over It(オーバー・イット)のEvan Weiss(エヴァン・ワイス)、Julien Baker(ジュリアン・ベイカー)が参加している。さらに、伝説のSteve Albini(スティーブ・アルビニ)が逝去する前に一部を、Jack Shirley(ジャック・シャーリー)(Deafheaven(デフヘヴン)、Gouge Away(ガージ・アウェイ)、Loma Prieta(ローマ・プリエタ)など)が一部をプロデュースしている点も見逃せない。ゲスト参加曲は待たねばならないが、先行公開された「From Home They Run(フロム・ホーム・ゼイ・ラン)」はすでに非常に期待させる一曲だ。The Saddest Landscape(ザ・サデスト・ランドスケープ)らしい痛切で絶望的な響きは健在で、『Darkness Forgives』から10年を経た今、バンドの音楽はさらに世を厭うような深みを増している。不安感に満ちた楽曲において、これは最高の賛辞と言えるだろう。



Commitment(コミットメント) – 『Dog Pound(ドッグ・パウンド)』

Commitment(コミットメント)にはフィラデルフィア・ハードコア・シーンでお馴染みの顔ぶれが揃っている。ドラムスにはSoul Glo(ソウル・グロ)のボーカリスト、Pierce Jordan(ピアース・ジョーダン)、ギターにはEye Flys(アイ・フライズ)のJake Smith(ジェイク・スミス)が参加。しかしボーカリストのTati Salazar(タティ・サラザール)はハードコア界では新参者で、以前はLe Siren(ル・シレン)やThe Childlike Empress(ザ・チャイルドライク・エンプレス)としてインディー系のシンガーソングライター的な楽曲を手掛けていた。ところがTati(タティ)は猛烈なスクリームを放ち、Commitment(コミットメント)のデビューLP『Fear Of(フィア・オブ)』から聴いた2曲はどちらも激昂した楽曲だ。最新かつ最も激しい「Dog Pound(ドッグ・パウンド)」は87秒の鞭打ちのような曲で、Tati(タティ)は「そんな扱いを受けるに値する男たちへの暴力的な妄想を吐露する」と歌っている。ミュージックビデオはスナッフフィルムを思わせる雰囲気で、楽曲も同様に容赦ない。

 



Bitter Branches by Michelle Mennona

Bitter Branches(ビター・ブランチズ) – 『Cave Dwellers(ケイブ・ドウェラーズ)』

ニュージャージーのメタルコア先駆者Deadguy(デッドガイ)が30年ぶりのアルバムをリリースしてからわずか数ヶ月後、ボーカリストのTim Singer(ティム・シンガー)は新たなバンド、Bitter Branches(ビター・ブランチーズ)による新作アルバムのリリースを既に控えている。このバンドには、ベース/ボーカルとしてDan Yemin(ダン・イェミン)(Paint It Black(ペイント・イット・ブラック)、Kid Dynamite(キッド・ダイナマイト)、Lifetime(ライフタイム))に加え、Cavalry(キャバリエ)、Lighten Up!(ライトン・アップ!)、Walleye(ウォールアイ)のメンバーも参加している。Deadguy(デッドガイ)の新作LPでバンドの真骨頂を発揮した後、Tim(ティム)とBitter Branches(ビター・ブランチーズ)の面々は、次作『Let’s Give the Land Back to the Animals(レッツ・ギブ・ザ・ランド・バック・トゥ・ザ・アニマルズ)』でJesus Lizard(ジーザス・リザード)風のポストハードコアへの愛を存分に注ぎ込む。現在2曲が先行公開されており、私のお気に入りはより混沌とした「Cave Dwellers(ケイヴ・ドウェラーズ)」。この曲ではバンドがDeadguy(デッドガイ)よりも緩やかで自由な動きとグルーヴを見せ、おそらくより暗くもなっている。

 



How Much Art – “XO”

Pat Flynn(パット・フリン)とShawn Costa(ショーン・コスタ)の勢いはとどまるところを知らない。ボーカリスト兼ドラマーのデュオはFiddlehead(フィドルヘッド)での活動を続ける一方、最近ではHave Heart(ハヴ・ハート)を再結成。さらに今年、彼らの新バンド「How Much Art(ハウ・マッチ・アート)」がConvulse Records(コンヴァルス・レコード)よりデビューEP『Public Relations(パブリック・リレーションズ)』をリリース予定だ。ラインナップにはGel(ゲル)のギタリスト、Maddi Nave(マディ・ネイヴ)に加え、Downtalker(ダウントーカー)、Qualms(クアルムズ)、So Automatic(ソー・オートマティック)のメンバーが名を連ねる。決してこれを「Fiddlehead(フィドルヘッド)のサイドプロジェクト」と軽視してはならない。「XO」と先行シングル「PR」は、Fiddlehead(フィドルヘッド)が80年代ポストパンクに傾倒したかのようなサウンドで、Pat Flynn(パット・フリン)がこれまでに書いた中でも最もキャッチーな楽曲だ。「XO」の「surrender!(サレンダー!)」というフックは、何日も頭から離れないだろう。

特筆すべきは、この楽曲には5つの異なる言語が使用されている点だ。中国語、アイルランド語、スペイン語の話し手がそれぞれの母国語で愛の詩を朗読し、パリのデュオ「Copycat(コピーキャット)」(Pat Flynn(パット・フリン)が彼らのFiddlehead(フィドルヘッド)のカバー曲をきっかけに知り合った)がフランス語で歌っている。

2026年最初の「ジャンル擁護論」ということで付け加えると、今年は他にも楽しみにしているパンク/エモ/ハードコアのアルバムが数多くある。Tigers Jaw(タイガーズ・ジョー)、Angel Du$t(エンジェル・ダスト)、Gladie(グラディ)、Sweet Pill(スウィート・ピル)、Converge(コンバージ)、Knumears(クヌミアーズ)、Sweet Pill(スウィート・ピル)、Hit Like A Girl(ヒット・ライク・ア・ガール)、Footballhead(フットボールヘッド)のアルバムなどだ。それはまた次の機会で紹介したい。