Ideal Victim(イデアル・ビクティム) 『Rage Letters(レイジ・レターズ)』 (2024)
ポルトガルはポルト出身のハードコア・パンク・バンドの2作目のEP。イギリス色の強い初期ハードコア・パンクで、女性ヴォーカルが特徴のバンド。
Discharge(ディスチャージ)、Bikini Kill(ビキニ・キル)、The Cramps(ザ・クランプス)、Dead Kennedys(デッド・ケネティーズ)に影響を受けたバンドで、ファストパンク、ハードコア、サーフロックを融合したサウンド。
ノイジーで荒々しいギター、サーブロックのフレーズ、2ビートでゴリゴリ押していくドラム、ヒステリックなヴォーカルの金切り声が、暴力に満ちた激しいサウンドを展開していく。激しさ一辺倒だった前作と比べると、メロディーフレーズを巧みに取り入れ、より深みが増した作品に仕上がっている。
『怒りの手紙』と名付けられた本作では、いじめ、薬物乱用、うつ病、精神が崩壊した世界がテーマになっており、日常的な暴力に対するメンタルヘルスや、生き抜くためサバイバルを強く訴えかけている。そこでは歌詞に頻繁に出てくる言葉、Resistance(抵抗)が象徴している通り、暴力に対して抵抗しろ!!と力強く訴えている。まさに弱者のためのパンクなのだ。
女性という弱い立場から、性的欲求などを抑圧する男性に歯向い戦えと訴えるラディカル・フェミニズムを、現代版に過激にアップデートしたバンドなのだ。