RAZOR WIRE(レザー・ワイヤー) 『STRAIGHT TO THE POINT(ストレート・トゥ・ザ・ポイント)』 (2024)

チェコ出身のビートダウン・ハードコア・バンドによるデビューEP。No Face No Case(ノー・フェイス・ノー・ケース)のギタリスト、Matt Yakeshと、ヴォーカルのVojta “808Kid” Římalによる2人組ユニット。

No Face No Case(ノー・フェイス・ノー・ケース)が展開する、ビートダウン・ハードコアにデスコアを融合させたスタイルをさらに押し進め、より過激な音像を追求している。極限まで歪ませたギターが破壊的な音を刻み、怨霊のうめきのようなヴォーカルによるシンガロング、不規則に叩きつけられるドラムとギターが、混沌とした空気を生み出す。ここでは、ビートダウン・ハードコアというよりも、不快なノイズとヘヴィネスを極限まで研ぎ澄ましたデスコアが鳴り響いている。

その過激なサウンドとは裏腹に、パーカー姿のキャラクターが描かれたポップなアルバム・ジャケットや、壁の落書きアートを意識したPVからは、ギャング的なアティテュードではなく、ストリートの若者らしいカジュアルさが感じられる。憎悪や嫉み、不快な音だけを追い求めるバンドではない。トレンドの最先端を意識した、スタイリッシュで柔軟な感性が息づく作品だ。