CEREBRAL BALLZY(セレブラル・ボールジー )
『Return Of The Slice(リターン・オブ・ザ・スライス)』

リターン・オブ・ザ・スライスリターン・オブ・ザ・スライス
セレブラル・ボールジー

VINYL JUNKIE RECORDINGS 2011-03-08
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11年3月に発表された9曲入りのEP。日本限定の作品。典型的な貧民層出身のバンドで、メンバーはアングロサクソン系の白人から、黒人、ヒスパニックまで在籍する多民族なる。アメリカでは「バッド・ブレインズがマイナー・スレットのカバーをしているようだ!」と称されているが、まさにそのようなサウンド。骨太のロックンロールギターをベースにした典型的なオールドスクール・ハードコアで、すべての曲が1分台。激しい怒りをサウンドに叩きつけ、瞬く間に終わっていく。ボーカルの歌い方やスピード感はバッド・ブレインズの影響が強く、硬質で引き締まったリズムからはマイナー・スレットからの影響を感じる。だがバッド・ブレインズのようなホジティヴ・メンタル・アティテュードもなければ、ストレート・エッヂというマイナー・スレットのようなストイックな思想もない。そこにあるのは、貧民層が抱えている富裕層への怒り。たとえば“インサフィシェント・フェア”では<改札を飛び越えろ!料金が足りない~それじゃどこにも行けない>と歌い、“コージング・ハボック”では、<都会で生きると腐っちまう。ドラッグ、酒、女。政治家はなにもしてくれない。どんどん信用を失っていく>と歌っている。彼らが歌っているのは、貧困層のごくありふれた日常なのだ。 彼らのサウンドを聴いているとこれこそまさしくハードコアであり、日本も彼らのよう悲惨な境遇や政治への怒りを歌うバンドが出てきて欲しいと思った