Beneath Medicine Tree Copeland Militia 2003-03-25 |
紛れもなく最高傑作。かれらも結局、バンド活動を通じて1枚目の初期衝動とイノセントを超えることが出来なかった。03年に発表されたデビュー作は、20歳前後にしか感じることの出来ない純粋性を、真空パックのように閉じ込めた作品だ。
彼らのその初期衝動とイノセントとは、クリスチャン世界の清冽で綺麗な世界観。華やかなライトに飾られたクリスマスツリーのようにキラキラ光るギター、神聖な雰囲気が漂ったピアノは、クリスチャン音楽からの影響が強い。憂鬱さを含んだ透明なボーカルからは、改悛の想いや、清楚で心が浄化されるような安らぎが漂っている。
まだこの時点ではコールドプレイなどのイギリスビューティフルロックやジミー・イート・ワールドの影響化を抜け切れていない。だがこの作品を聴くと、優しい思いになれるし、自分が犯してきた過ちを素直に反省しようとさえ思う。過去の後悔を水に流して、癒された気持ちにさえなる。こういう気持ちは、コールドプレイはもとより、エモ界隈でも、いままでこんな気持ちにさせてくれる作品はなかった。そういった意味では新境地を開いた作品といえるだろう。