Dag Nasty (ダグ・ナスティー)
『Can I Say (キャン・アイ・セイ)』

Can I SayCan I Say
Dag Nasty

Dischord 2002-05-28
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元Minor Threat(マイナースレット)のベース、Brian Baker(ブライアン・ベイカー)(このバンドではギターを担当)と、2代目ボーカルにして元DYSのボーカル、Dave Smalley(デイヴ・スマイリー)によって結成された86年発表された1st。D.Cで結成されたハードコアバンドだが、エモの先駆者であることに間違いはない。

 

基本的にはジャームスなどのハードコアをベースに、ギターメロディーをぶち込んだサウンド。すべてが2分台のタイトに引き締まった演奏で、デイヴ・スマイリーのボーカルは熱くエモーショナルで気合が入っている。まるで直線的に陽が昇っていくように、エネルギッシュな活力。聴けば聴くほど元気が出る。

 

当時のUSハードコアシーンは、マイナー・スレットやブラッグ・フラッグなどの第一世代が次々と解散し、シーンは第二世代へと向かっていた。新たな個性を模索するバンドが多いなか、いまだにマッチョで極悪、過度の暴力といったヴァイオレンスな雰囲気が支配していた。そんなハードコアシーンのなかで、短パンにパーカーというごく普通の学生が着るファッションで、暴力的なシーンとは一線を画した。

 

ごく普通の若者が、熱くエモーショナルにハードコアをやり、メロディーを加えた。それが彼らのオリジナルティーであり、エモの先駆者といわれる所以だろう。

 

H2Oや7セコンズなどの後続のバンドたちにも多大な影響をあたえた。ハードコアの歴史に残る名盤のひとつだ。