Minority of One Dag Nasty Revelation 2002-08-13 |
13年間の沈黙を破って02年に発表された4作目。これがすごくいい作品なのである。デイヴが戻り、初期のような扇情的なサウンドを展開。デイヴのボーカルは相変わらず力強くエネルギッシュ。緩んだところがまったくない。すぱっと簡潔なメロディーフレーズと分厚いギターコードの絡みは絶品。脳天気に明るいサウンドというわけではないが、ネガティヴな要素は微塵も感じられない。
それにしても何なのだろうこのポジティヴなパワーは。メンバーみんな40才を超え、ブライアンもバットレリジョンで経験を積み、デイヴもオールやダウン・バイ・ローといった歴戦のバンドで修羅場をくぐり、挫折も悲しみを経験し、バンドのいい部分や悪い部分も見てきたオヤジたちなはず。それなのにいまだ純粋な初期衝動を保ち続けている。
おそらくその理由は、ひさびさに再会した友人たちが、軟弱なサウンドが多いガキたちに、オッサンのすごさを見せ付けてやろうという心意気で意気投合したのではないか。その懐かしさと情熱が強烈なパワーを産んだのだ。そうでなければネガティブな要素をこの世から消滅させるようにハンマーで粉々にするポジティヴなパワーの説明がつかない。
一度きりの再結成だが、このアルバムには、過去の栄光にすがるのはまっぴらだし、悲しみや悲哀にくれるのもクソだといった想いが息づいている。けっして金ために活動したのではないという心意気も窺える。アルバムの最後に収録されているジェネレーションXの”100パンクス”も挑発的でいい。すごくいい作品だ。