スイス・アーミー・ロマンス ダッシュボード・コンフェッショナル ビクターエンタテインメント 2003-09-02 |
00年に発表されたデビュー作。当時Fiddler Recordsから発売されたが、現在、大手インディーレーベルであるVagrant Record(ヴェイグラント・レコード)に買い取られ、2曲ボーナストッラクを収録したリメイクをしてリリースされた。
基本的にはアコースティックギターの語り引きだ。こったギターアレンジは見受けれらない。だがこれほどアコースティックギターの語り引きで、エモーショナルに熱く、ときには寂しく真情を吐露したバンドは、いままで存在しただろうか?キャンプファイヤーなどの燃え盛る蒔き木を見ながら、静かになだめるように歌うのが、いままでのフォークないし、アコースティックだった。そういった意味では、フォーク/アコースティックの概念を変えたバンドといえるかもしれない。
歌っている内容といえば失恋ソングだ。彼女がほかに男を作って出て行ったときのショックや、彼女を傷つけてしまったことに対する後悔と懺悔など、生々しいほどリアルだ。その悲しみや悔しさ、寂しさから這い上がろうとする力強い歌声は、胸が苦しくなるほど切ない気持ちにさせてくれる。
このバンドのデビュー以降、エモ界隈では、アコースティックヴァージョンのトラックを入れるバンドが増えた。それだけ彼がエモに与えた功績は大きいのだ。