Understanding What We’ve Grown To Be WE CAME AS ROMANS TRIPLE VISION entertainment 2011-09-20 |
11年に発表された2作目。サウンドフォーマット自体前作と変わらないが、前作より、よりメロディーに重点を置いている。今作では前作で確立したサウンドフォーマットを、より極める方向に向かっている。新しい試みはなく、いうなら深化だ。とくにメロディーに力を入れており、前作のディスコ・エモのピコピコなるデジタル音やクラッシク音楽をさらに突き詰め取り入れている。そのメロディーには、赤ん坊を癒すような浮遊感があり、呪詛を急速に洗い流すような癒しと安らぎがある。ときには切なく寂寥感に満ちており、メランコリックで幻想的な色彩を帯びている。そしてなにより今作のよさは、メロディーに、デスヴォイスと金属質で重いリフとが溶け合っているところだ。もはや繊細さと野太さの二律背反や2面性といった感情はここにはない。怒りに満ちたデス声の根本には、悲しみや弱さが漂っており、憤りや、やるせなさに近い感情がある。うるさく重厚でラウドで重いサウンドでありながら、ポップで聴きやすい。怒りと悲しみ、ポップとデスとの親和性に、このバンドの成長を感じる。