Reach Eyes Set To Kill Breaksilence Records 2008-02-18 |
暗く美しく透明で、悲しみと絶望に彩られた世界。これもまたスクリーモの新しい形。2作目となる今作は、攻撃的なメタルコアに、繊細で神経質なメロディーが絡むスタイルに変わりはない。変わったところといえば、女性ボーカルが代わり、メタルの要素も少し薄れたところか。脆さと哀しみを含んだ透明な歌声の女性と、悲痛な叫び声の男性がシンガロングするボーカルには、まるで自分の周りにガラスの壁を一枚貼られたような孤独感が漂っている。歌詞も届かぬ想いや、願いが叶いそうで叶わないといった内容が多く、希望を打ち砕かれた絶望が漂っている。まるでスティーヴン・キングの小説のような、神秘的な霊の世界と、隣人の恐怖を描いた世界観のようだ。アメリカンポップからの影響が強く、感情むき出しのスクリーモはこのバンドだけ。