BIG CHOICE/RE-ISSUE FACE TO FACE FATWR 2016-12-15 |
95年に発表された2枚目。個人的には一番好きな作品。ラモーンズのような荒々しいコードギターに、哀愁漂うメロディーをのせ、性急なスピードのドラムが疾走していく。彼らならではのスタイルを確立したのは、この作品から。
それにしてもこれほどまで彼らにシンパシーを感じる理由は、ブルートみたいな粗暴な男が見せる哀愁ただよったうしろ姿にある。俺は大丈夫じゃない。と情緒不安定な自分を歌うA-OKや、選択し拒絶されたと挫折について歌うビッグチョイスなど、行動し得た結果がどの内容も悲惨な結果だ。まるで、あしたのジョーのような、負けの美学にも似た悲哀が漂っている。
悲しい時に悲しいとはいえない男の性や、いかつい男が時折みせる弱い自分。その想いを爆音ギターと性急なスピードにのせ、激しく疾走する姿が、なんとも胸に突き刺さる。ビーチボーイズから続く西海岸の伝統-明るさの奥にある暗い一面-を受け継ぎながらも、明るくノー天気なバンドが多いメロコアのなかで、泣きコアや哀愁コアなどと呼ばれる異質な個性を確立した。まさにメロコア史に残る名盤だ。