ヒロイン フロム・ファースト・トゥ・ラスト ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル 2006-05-02 |
06年に発表された2nd。パンク、メタルの折衷スタイルのカオスから、重いグルーヴだけを抽出し、より暴力的に変化を遂げた。その変化の理由は、おそらくメタル好きのDerekの意見を重視したからだろう。ハードロックのテックニックギターや、インダストリアル、重厚なリフを重視し、ブルータルなど、ヘヴィーなサウンドをいろいろと取り入れている。ここではパンクの影響はあまり伺えない。歌い方も力強く攻撃的に、慰めなどの叙情性も排除されている。重くつらく暗くシリアスに、怨嗟をただただ吐き出している。最後の曲“ヒロイン”だけが叙情ナンバーで、パンクの影響を感じる。そこには、厳しい現実に敗残していくむなしさや徒労感が漂っている。強気で攻撃的な前半と、疲弊感漂う弱さで終わる結末。その一連のストーリーのような展開が、アルバムをうまくまとめ、味わい深いものにしている。個人的には最後の曲が好きだ。