ディス・クッド・ビー・ア・ポッシビリティー バレンシア Kick Rock MUSIC 2006-04-19 |
08年に発表されたメロディック・パンク・バンドの2作目。一生懸命がんばれば、夢はかなうといった姿勢と、固い決意で力強く前へ踏みだそうとするひた向きな情熱が、彼らの個性だろう。
そんな彼らのサウンドとは、ブリンク182とスターティング・ラインに、イエローカードを合わせ、そこにスライドギターやアメリカンポップスを加え、進化させたメロディック・パンク。前作と比べるとほかの音楽も徹底的に研究しているし、とても勉強熱心な姿勢が窺える。ハードな音楽からの影響も少し窺えるが、その要素をポップにソフィスケートする能力が素晴らしい。
そこに漂う雰囲気とは、冬の透明透き通った空気のなか、沈む夕日を眺めて、一縷の希望を信じるような透明さ。そう彼らだって人生がそんなに甘くないことは知っている。それでもただ純粋にメロディックパンクが好きだから、やり続けるしかないのだ。その純粋さがキラキラと輝いていて、美しい作品だ。